新旧コラボ
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 つい先日利用した公共施設の会議室で見つけた「新旧コラボ」。

 この施設、確か一昨年に竣工オープンしたばかりで、どこもかしこも新品だらけ。いかにも「今どき」な施設なんだけど、なぜか会議室に備え付けられた電話は、実にクラシックな、しかも「丸椅子」の上に置いてある。
 決して「仮置き」ではない。これが「常態」である。

 想像するに。
 この施設、廃校になってしまった小学校の敷地跡に建てられた。元々あった小学校は、それはそれは由緒正しい歴史ある小学校で、渋谷で育った方々の紛れも無い「思い出の母校」であった。が、渋谷駅から徒歩数分の位置にあるこの小学校は、他の「都心」と同様に「児童生徒の減少」の波に飲まれて、隣接する校区の小学校との合併に伴い廃校。残った建物は、そのまま地区の公民館として活用されていた。
 でだ。
 あんまりイケてない行政にありがちなハナシだが、地区に住む「地元民」の愛着をはじめとして、使い方次第、活かし方次第でまだまだ使えるのではないかってな「面倒くさい」ハナシには全く耳を貸さず、こういう「老朽化した建物」は格好の「再開発ネタ」として、「公共施設整備計画」とともにぶっ壊してしまう。
 せめてもの「対応」もしくは「配慮」なのだろうが、小学校に遺されていたいくつかの品々を展示する「記念室」なる小部屋が設けられている。
 そして・・・・なせか「記念室」と並んで設けられた「貸会議室」には、小学校の遺品と思しき「丸椅子」が、電話台として使われていると。

 元小学校といえば、そこそこまとまった敷地である。この経済状況のご時世に、そんな規模の敷地を用地として、つまりはそこそこ大規模な建築物にならざるを得ない「公共施設」を新たに建設整備するハナシなんぞは、そう容易いものではない。ために、あれこれと官民とりまぜて「合同、協力し合って」施設は建設されている。よくあるハナシではある。
 出来上がった施設は、もちろん住民生活に資する快適なものではあるが・・・果たしてこの施設「全て」が、公共施設として必須のものと望まれたものであるのか否かというと、はなはだ疑問を感じぬでもない。必要だから建設するのではなく、建設したいから必要性を生み出す・・・これまた、よくあるハナシではある。
 「容積」が余ろうが「金儲けネタ」が目減りしようが、ホントに必要なものだけをしっかり絞り込んで、より小規模な計画とするってなコトは、政治的判断を含めた行政内の空気として難しかったんだろうなと容易に想像できる。
 いや、勝手にあれこれ想像してるだけで、実際のトコどうなのか、その真実は知らない。なので、こういう勝手なコトはむやみに書くもんではない。・・・ので、これは、単なる個人の愚痴である。

 ところで。
 この施設の会議室を借りて、何をやったかというと・・・「一級建築士試験/設計製図の試験」てな資格試験の受験準備のお教室を開催していた。
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 試験本番と同形式で練習問題に取り組んだ後、その「答案図面」を囲んであれこれと議論する参加者の面々。みな、一級建築士の卵である。
 願わくば、まるで「壊すために建てる」ような日本の建設活動に少しは疑問を持つコトも身につけて欲しいなと思いつつ、そういうコトを気にしてちゃ合格から遠くなる試験だなと、少々面倒な気分。
 にしても、「旧きを活かし、新しきを加え」という新旧コラボの魅力は多大だが、その魅力を自覚して行為として在るのが「会議室の丸椅子電話台」というのは、ちょと違う気がする。心和む部分は確かに在るのでこれはこれで歓迎するが、それでも「そもそも、ちょっと違うでしょ」と感じないではいられない。
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by kaz-105 | 2012-10-10 20:55 | ぽよよんな日々 | Trackback | Comments(0)
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