町工場
e0011321_5284560.jpg 工作好きの人には共感を持っていただけると思うが、年季が入って使い込まれた作業台や道具類を見るとなんともいえぬ魅力を感じて見入ってしまう癖がある。
 いまどきの、使い捨て当然でアセンブリー交換ばかりという風潮で、修理や修繕をやってくれる町工場をすっかり見なくなってしまったことに感じる寂しさすらも忘れてしまっていたのだが、ひょんなことで「魅惑の町工場」に出会うことが出来た。
 オヤジさんによると、工場の建物は東京オリンピックの年に建てたというから、かれこれ45年以上。歩道に面した幅6m余りの工場出入り口は、鈍く景色がゆがんで見える厚いガラスの入った大きな木製の引き違い戸。その建具だけも見入ってしまうに十分なのだが、その奥の作業場には「先代が若いころに作ったもの」という木製の作業台が鎮座している。とうに孫も成人してるだろうと思しきオヤジさんの言う「先代」。いったいこの作業台は何年使いつづけているものか。
 仕事の対象はどんどん新しいモノに変わってはいるが、仕事のやり方は昔のまま。きちんと磨かれ分類されてガラス瓶に収まっているボルトやネジ、使い込まれて「丸く」なった万力。雑然としてるようでも何処に何があるのか寸分の狂いもなく身体が覚えてしまっていて、年齢ゆえのゆったりした動作ながら決して迷うことも止まることもなく淡々と作業は進む。こういう工場の中はミラクルワールド、何もかもが「オヤジさんの身体の一部」のように呼吸しているように思える。
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by kaz-105 | 2006-06-04 05:28 | ぽよよんな日々 | Trackback | Comments(1)
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Commented by ton-sama at 2006-06-05 09:21 x
素敵! 本屋と共に、こういう場所は1日中いても飽きませんな。


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