桜か柏か
e0011321_15294678.jpg

 今年は機会に恵まれて花見には満足しているが、ふと気がつけば美味い桜餅を食ったのはたった一度だけ。そういえば去年は桜餅にありつくことすら無かった。こりゃ、イカン、と桜餅を入手すべくお出かけしたのだが、時既に遅し。手に入ったのは、桜餅ならぬ柏餅。季節はすでに端午の節句である。
 で、この柏餅、道明寺粉で出来ている。
e0011321_15402498.jpg

 道明寺粉というのは、もち米を蒸した後に乾燥させたものを適当な粒に粗挽きしたもの。その粉で作られた菓子の代表選手が桜餅というわけで、道明寺と言えば普通は桜餅のことを言う。ところが、これは関西風桜餅らしく、関東では道明寺粉を使わない桜餅の方が普通だとか。関東では関西風桜餅を道明寺と呼び、関西では関東風桜餅を長命寺餅と呼ぶ、てなややこしいことになるらしい。
 この関東風の長命寺餅。関西人にしてみれば、柏餅の柏の葉っぱを桜の葉っぱに変えたようなものだなと理解することになる。葉っぱを柏から桜に変えたモノがあるのなら、餅の方を変えたモノがあっても不思議はない。ということなのだろうか、この柏餅、柏の葉っぱの中には、道明寺粉で出来たまるで桜餅のような餅が入っている。

 ところで、冒頭に「時既に遅し」とは書いたが、桜餅に使う桜は「塩漬けの葉」であって「花」ではない。葉を塩漬けにするとなると、少なくとも葉が出そろってからということになるので、桜餅は桜の花の季節にだけ作ることが出来る菓子という訳ではない。塩漬けにして日持ちさせ、翌年の桜の花の季節にも作れるようにしたもの、と言うべきものなのだろう。

 さらに、ところで。桜餅や柏餅を「菓子」と表現したが、「菓子屋」の作る菓子と「餅屋」の作る菓子とは異なり、桜餅や柏餅はどちらかというと「餅屋」の作る菓子に属するものだろう。このあたりの違いを味わうのは実に楽しいことなのだが、それほど詳しく知っているわけではないのでここらで止めておく。
 ちなみに今日の柏餅。餅屋で手に入れた菓子なら番茶で楽しむ方が相応しいのかも知れないが、鶴屋吉信なんぞという菓子屋で入手したので抹茶で楽しむことにした。本来は餅屋が作る菓子であろうはずの柏餅を、敢えて菓子屋が作るのだからと、わざわざ道明寺粉が使われている、といったトコロなのだろう。しかもこの道明寺粉、かなり粗い目の粉で素朴な感じに作ってあって風情や食感も良くたいそう美味しい。
[PR]
by kaz-105 | 2007-04-19 15:29 | ぽよよんな日々 | Trackback | Comments(4)
トラックバックURL : http://cloitre.exblog.jp/tb/5534678
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented at 2007-04-19 23:25 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by もにょにょふ at 2007-04-20 09:53 x
桜餅・・・おいしそう!
(そういえば今年、食べ損ねた)

私は関東生まれなので”道明寺粉を使わないタイプ”に馴染みがあります。

ちなみに
塩づけのさくらの葉は”餅といっしょに食べる”派です
Commented by kaz-105 at 2007-04-25 18:35
元来は葉っぱは食べないモンだったらしいですね。
けど、オイラも断然「葉っぱも食べる派」です。
その方が圧倒的に美味しいと思います。
Commented by けえこ at 2008-03-03 16:16 x
桜餅は関東風が元祖ですね。
包む塩漬桜葉はどれも伊豆半島産というのも江戸発祥の証明です。
道明寺は「道明寺粉を使って関西風にアレンジした桜餅」という意味だそうです。
両方好きですよ。


<< ジャコ・スパ まずは、現状把握 >>