村野の家具
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 恩師の退職記念祝賀会は京都・都ホテルで行なわれた。村野籐吾の設計した建物である。
 ずいぶんと前に、都ホテルは経営母体が変わりウェスティン都となった。ために、相次ぐリニューアルとともに当初の雰囲気はどんどん少なくなり、良くも悪くも普通のホテルになりつつある。
 以前のエントリーでSASホテルのことを書いたが、オリジナルの部屋を遺すという点では共通するものの、全体の印象としては、オリジナルの雰囲気を大事にしたリニューアルで独自の魅力とステータスを保持しているSASに対して、単に高級感(むしろ高額感と言うべきか)としか言いようのない、いわば今時の月並みなグランドホテルに成り下がってしまいつつある都という気がする。
 高級とかステータスとかではなく、より直接的で分かりやすい高額感に向かうのは、昨今の市場動向では仕方ないのだろうとは分かるものの、いかにも貧しい気がして寂しさを感じる。

 写真は、村野が都ホテルのためにデザインしたサイドボード。ごくわずかではあるが、村野の手になるオリジナルの家具や当初の意匠を遺してリニューアルされた部屋もある。その部屋では、なんとも柔らかく優しい印象の家具にふれることができ、ほっと暖かい気持ちになれる。
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by kaz-105 | 2007-05-12 20:53 | ぽよよんな日々 | Trackback | Comments(2)
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Commented by nen at 2007-05-14 09:22 x
おお、ホテルネタ。
日本では、多くのホテルオペレーターは建物(建築)を「商売道具(ツール)」としか考えていませんからね。稼働率上げるためにはすべてが最新設備でなければならないと思い込んでる。
「これはイイモノだから絶対保存しておくべきだと思いますよぉ」と訴えても単なる「建築屋の趣味発言」としか取られないし。
「クルマは動けばカッコなんかどうでもいいんだよ」っていうのと似てるかなぁ。寂しいですね。
Commented by kaz-105 at 2007-05-14 14:09
ホテルオペレーションにおいて建物が商売道具であるのは当然だし、
最新設備であれば稼働率が上がりそうだという発想は無理も無いコトだけど、
最新設備でなきゃ稼働率が上がらないという発想はいかにも貧しいね。
常に「新築」「新品」でなきゃダメってことになって、ストックを活かす発想が生まれて来なくなる。
で、実際、そういう無限ループに入ってしまってる感が強いわけですが、
「ブランド」ってのは、フローじゃなくてストックじゃないのかなぁと、疑問に思うわけです。


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