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特注の「普通のタイル」
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以前に書いたセルフビルドによる町家再生で使用する『「普通の」タイル』が出来上がりました。

ぽったりと盛り上がった形状で、艶有りの黒、艶なしの黒、錆びた感じの黒。
そして錆びた感じで、表面が平面なもの。
いずれもイイ感じで、町家の正面を飾るのが楽しみなタイルが出来ました。





どう「普通」かというと・・・
京都市内を古い町家を求めて探索してると発見できるんですが、当時(たぶん昭和初期とか戦後まもなくとか)にごく一般的なもののひとつとして使われていたタイルで、古い風景を知ってる人にとっては「普通の」タイルであるということ。ところが、今ではすっかり無くなってしまったもの。それを復刻というか復元というか真似して創ったものです。

どう特注かというと・・・
「あ~、これや、これや!」というタイルを張った町家を探し出して、その実物をよぉく観察するところからスタート。
まずタイルの大きさ。77ミリ角と70ミリ角という大きさになってます。50角では小さすぎ、100角では大きすぎで、印象が全く変わってしまいます。
次にタイルの形。真中がぽってりと盛り上がっています。どのくらい盛り上げるかは、現物の観察成果を踏まえつつ、粘土で原寸模型を作って検討。模型の印象を確認しつつ「盛り上がり度」を決めました。
最後にタイルの色。セルフビルドしている本人の「黒いタイルがあったんや。それが、ごっつぅ感じ良かったんよねぇ。」という強い希望を反映して、当時普通に使われていた釉薬で黒いものをタイルメーカーさんに選んでいただき、試作してもらって印象を確認した上で決定。

粘土でモデル作って、型を起こして、試し焼きして・・・とフルコースの特注でございます。
今回の町家再生で使用するのは、ほんの10数平米。何しろ小さな町家の正面の壁だけですから。(窓や入り口もありますから、タイル張れる壁は限られてます)
ここまで手間をかけて、使うのはたったそれだけというのはもったいないので、この特注に付き合ってくれたタイルメーカーさんと「なんとかカタログモデルくらいにはならないか?」というのを相談しているところです。
だって、ずいぶんと無理を言って安く製作してもらってますから、メーカーさんとしても儲けるネタが無いとまずいかなと。。。。
(かえって赤字の元を増やすかも・・・という心配の声もありますが。笑)

ちなみに、この面倒な相談に付き合ってくださったのは、近代建築などの修復で使われる復元タイルなどにも取り組んでおられる「セラミアート」というメーカーさん。(残念ながらHPはありません)
なんとも魅力的なタイルを作っておられて、愛用させていただいてるタイルメーカーさんです。
by kaz-105 | 2005-10-03 13:03 | 建築雑感


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